都会でも採れる、おいしいハチミツ

サヤ

2015年04月28日 12:27

都会の屋上やベランダを利用して野菜を育てる「アーバンガーデニング」や、ミツバチを飼う「アーバン・ビーキーピング」が世界中で人気を博しているが、スイス最大の都市チューリヒも例外ではない。養蜂家は単にハチミツ好きな人たちだと考えるのは間違っている。この職業は「カッコいい」だけではなく、多大な忍耐力とノウハウを要する難しい仕事なのだ。


チューリヒの街中で養蜂を始めた人の一人が、生物学者のヘレナ・グレーターさん。数年前からミツバチに携わっており、現在、いくつものミツバチの集団(蜂群)を飼っている。市内の公園、庭、平地などでミツバチたちが集めたハチミツを「チューリヒのハチミツ」として販売もしている。「ビーキーピング」の難しさを身をもって実感しているため、養蜂に興味のある人には2年間の講座を受講することを勧めている。

近年ではミツバチの大量死がメディアで大きく報じられているが、詳しい原因はまだはっきりしていない。蜂群が消えたのは、極東から持ち込まれたとされるミツバチヘギイタダニのせいなのだろうか。それとも有害な農薬か、単一栽培か、他の環境的要因が理由なのだろうか。確かなのは、人と自然にとってこの小さくて勤勉な虫が欠かせないということだ。農作物や野生植物の受粉の大半をミツバチが行っている。そのため、街の中でもミツバチたちは大切に扱わなければならない存在なのだ。