2015年09月12日

オリンピックに向けた建設ラッシュがリオ市民の「貧富の差」をさらに拡大させる

日本では新国立競技場の建設費を巡って大騒動が起きているが、オリンピックの開催を来年に控えたブラジルのリオデジャネイロでも選手村の建設が物議を醸している。オリンピック委員会の元メンバーであるアルベルト・マレーは、その問題をこう指摘する。

「オリンピックに向けて建設されているすべての建物は、不動産開発の口実に過ぎない」

たとえば、富裕層が暮らすバハ・ダ・チジュカ地区では、計3‌60‌0戸のマンションが選手村として建設されている。これらはオリンピックの閉幕後に一戸50万ユーロ(約7‌00‌0万円)以上で販売されるという。

この建設を手掛ける業者は、以前はこの地区に6棟の高層マンションしか建設を認められていなかった。だが、112年ぶりに正式種目となるゴルフのコース建設にオーナーが出資した結果、23棟の建設が許可されたという。また、この業者が前回の市長選の際にエドゥアルド・パエス市長に多額の献金をしていたことも問題視されている。

一方で、リオデジャネイロにはファベーラと呼ばれるスラム街が約600ヵ所あり、市民の22%にあたる130万人が今も粗末な小屋で暮らしている。

彼らは、自分たちの街でオリンピックが開催されても見に行くことができない。チケット代どころか、わずかな交通費すら捻出できないからだ。

ブラジルでは昨年のFIFAワールドカップの際にも、市民の生活環境の改善を優先すべきとして大規模な抗議デモが起きた。その教訓からは何も学んでいないようだ。



Posted by サヤ at 15:29│Comments(0)
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